学長 香津子の部屋BLOG_PRESIDENT

2020年09月03日

会報 保育士養成95号 功労賞記事を転載します。

保育士養成指定施設の短期大学・大学の協議会では、九州ブロックの養成校より推薦された3名の理事が、全国の保育者養成の資質向上にむけて活動しています。

佐賀県からは、これまで佐賀女子短期大学の教員が2名理事に選ばれています。保育の伝統校として、九州の保育者養成校教員仲間から、佐賀県では佐賀女子短期大学だと評価されてきたことは大変誇らしいことです。今回、無事に理事の任期を終え、宮崎、沖縄、福岡選出の理事にバトンタッチしました。功労賞を頂いた際に会報に載った記事を転載します。

保育者養成と出逢えた幸運~功労者表彰を受けて~

                        佐賀女子短期大学 学長 田口 香津子

【佐賀女子短期大学での出逢い】

 今から37年前、23歳の時でした。1983年4月より、当時の児童教育学科の心理学教室の助手として、私は、保育者養成に携わることになりました。学生気分の抜けないままの私を導いてくださったのが、心理学教室の牧正興先生、福田恭介先生、そして吉牟田美代子先生など児童教育学科の先輩方でした。また、同期の相浦雅子先生とは、保育現場を熟知する、尊敬する仲間として今も親しくさせてもらっています。

 担当科目は、保育所実習、発達心理学(保育の心理学)、障害児保育、教育相談など。授業以外にも、臨床心理士として、様々な現場に出向き、子ども、保護者、保育者の相談に携わってきました。なかでも一定期間、子どもと継続して関わり、変容・成長過程を体験し、そのエッセンスを授業の中で学生に伝えてこれたことは大きな喜びでした。プライバシーの保護に留意しながら、教科書の事例を読むだけでは伝わらない現場の臨場感を話すとき、確かに学生の目も輝いていたのです。

 保育者は、子どもたちに、保護者に、「あなたは大切な存在である」ことを伝えるために学ぶべき知識や技術が数多あります。そこは、保育者養成も同じ構図だと思っています。養成校教員は、保育者となる学生たちに、「あなたは大切な存在である」ことを伝え、学生を育てていくことが重要と考えてきました。換言すれば、「今の言動の奥にある、まだ顕在化していない可能性を信じて待つ」という、保育者に必要な受容と共感の姿勢が、どの科目を持とうとも保育者養成校の教員にも必要と思っています。

 今や多くの卒業生が、保育現場であるいは家庭で、いのちの守り手、育み手となっています。教え子たちは、保育者養成に携わってきた私の人生の宝物です。2018年度より学長を拝命しましたが、学生との関係性は絶ちがたく、「幼児理解の理論と方法」を残していただき、ついに、2019年度後期を以って、授業担当者は卒業となりました。教え子とその娘、2世代にわたってご縁を得たことの幸運に感謝しています。

【全国保育士養成協議会との出逢い】

 全国保育士養成セミナーに初めて参加したのは、就職初年度の1983年でした。以来、九州開催の全国大会には参加し、この10年は毎年参加してきました。2020年で22回を数える九州ブロックセミナーの思い出も多く残っています。若い頃は、他の養成校の素晴らしい教育実践を自分の学校にも取り入れようと、わくわくして参加しました。本学の教員間の協働性を高める保育所実習体制つくりに反映できたのは、九州ブロ参加の成果と自負しています。

 私は、この全国と九州のセミナーを通し、臨床心理学の教員という狭い枠組みから、保育者養成校の教員としての協働的なアイデンティティを学びました。ドナルド・ショーンの反省的実践家という言葉にも出逢いましたし、看護師や社会福祉士、介護福祉士など隣接領域の専門職養成との相対化から、保育士養成の現状と課題にも直面しました。

 2015年には、第17回九州ブロックセミナーの実行委員長として準備を重ねていましたが、大型台風の予想進路から開催当日2日前に断念し、幻の佐賀大会となりました。その際の見事な後始末をおほめ頂いた記憶も懐かしく残っています。

 2014年の全国保育士養成セミナー福岡大会では、実行委員長大元千種先生からの依頼で、情報交換会の責任者となり、低予算で九州ブロック会員参加型の余興を企画しました。その功績が認められて(?)、九州ブロック理事にご推薦を頂いたのだと勝手に思っています。私の保養協理事としての唯一の功労賞は、セミナーの情報交換会でひとときの笑いを提供できたことです。それ以外は、不可のないよう可能な限り理事会に出席することに努めました。九州には、甲斐彰先生、鎌田佐多子先生、吉牟田美代子先生、菱谷信子先生を始め、九州ブロックの保育者養成をけん引してこられた先輩理事が大勢居られます。その末席を汚さないようにと意識してきましたが、無事二期にわたる任期を終え、安堵しています。

 九州ブロック理事として一緒に仕事をさせていただいた仲嶺まり子先生、徳安敦先生、門田理世先生、九州ブロックの専門委員として貢献されてきた那須信樹先生、脇信明先生、阪木啓二先生、そして監事の鐘ヶ江淳一先生、阿部敬信先生、島田知和先生、そのほか役員の先生方には大変世話になりました。

 全国保養協の理事会では、山崎美貴子前会長、汐見稔幸会長、矢藤誠慈郎常務理事のお姿を見て、ファンの一人としてドキドキしていました。刺激を受けたこと、ご配慮いただいたことが多々ありました。井の中の蛙がちょっとだけ海辺に降り、大海を覗くことが出来ました。保育士養成での素晴らしき出逢いに感謝申し上げます。

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